2013年2月6日水曜日

Art Ubiquitous『湯気吐きの滝』


出所:近隣スーパー・バックヤード換気口下の壁(一部をトリミング)

アートユビキタスの採取において、「壁滝」は最も頻繁に観察される形象の一つである。少し古びた壁であれば、そこには必ずと言っていいほど、雨と汚れによってもたらされた「滝」が存在する。もっとも、本当に深い味わいのある「滝」に遭遇することはなかなか叶わない。

ところで、壁の前でカメラを構え、考え深げにじっと道端の壁を凝視しているおじさん(ぼくのことだが)は道行く人の目には相当奇異に映るだろうが、アートする行為というものに没頭しているとそうした世間の目は気にならないものなのだ。

で、これは「壁滝」の一種であるが、この「垂れ模様」は雨によってもたらされたものではなく、壁に取り付けられた換気口フードから出る湯気によってもたらされたものであると推察される。湯気であるというのは、壁の向こうは食品スーパーのバックヤードだと思われ、そこでおそらく商品の総菜加工(揚げ物とかね)をしているのではないかと。湯気の温かさからか、雨染みよりも繊細な感じがする。

注目してほしいのは、「垂れ染み」とは別の小さな斜めの傷だか染みだかが、中央やや下部にあり、それが鯉の滝登りに見えなくもない、ということだ。めでたい図柄ではないか。でも、それってこじつけじゃないの、と思った方もいるだろうが、アートユビキタスの神髄は「こじつけ」であることをここで申し上げておきたい。

この『湯気吐きの滝』のそばにいると、揚げ物の良い匂いがして空腹を覚えたことも報告しておきたい。
(2013年1月28日撮影)
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アート・ユビキタス【Art Ubiquitous】 「アートを創り出す」のではなくて、「アートを見つける」姿勢です。アートはそこらに「遍在」しています。面白いです。

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