2013年2月6日水曜日

Art Ubiquitous『標本箱の石ー自ら標本となった石の意思』


出所:近隣空き地にある排水溝

標本箱というものがあります。矩形にしきられた枠の中に昆虫マニアであれば、蝶やカブトムシ、クワガタ、コガネムシなどの昆虫を虫ピンで留め、整然と並べる。ガラスの蓋がついていて、ときおりそれを眺めて悦に入る。

昆虫だけとは限らない。海辺で拾った貝殻、ビー玉、おはじき、ボタンの類い、口紅がついたタバコの吸い殻、ペットの骨片、抜いた虫歯…。他の人にとっては無用、無価値なものも、ブツというものは人の記憶がそこに付着するとある種の価値が生まれるんですね。

そういうブツを引き出しの隅っこなんかにしまい込むと、記憶もそこにしまい込まれてしまうが、標本箱に奇麗に整理して収めればひとつひとつのブツにあらたな生命が吹き込まれ、それらに付随する記憶もまた鮮やかな色彩を伴って蘇るのではないかと。人にはそういう「標本癖」というものがあり、そういう行為はある種アート的な行為だとも思うのです。

で、この作品は「石の標本」。石のサイズが標本サイズとして適切でほぼ同様なのは、もちろん偶然ではありません。実際、石の標本を集めている人はいるでしょうが、この場合は石が自らの「意思」で標本になった、という特質があり、そこがアートユビキタスの所以であります。
(2013年1月27日撮影)
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アート・ユビキタス【Art Ubiquitous】 「アートを創り出す」のではなくて、「アートを見つける」姿勢です。アートはそこらに「遍在」しています。面白いです。

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