2013年2月6日水曜日

Art Ubiquitous『煤煙壁山水図』


出所:近隣ガス機器製造会社壁塀

アートユビキタスの採取において、「壁滝」と並んで頻繁に観察されるのが「壁山水」である。「壁滝」が主に雨水による形成であるのに比べ、「壁山水」は何かしらの汚れよるものが多いように思う。

かつて「腐食枯山水」というものを撮影したが、あれは金属塀の腐食によって山水模様が浮き出たものであるが、この山水図はガス機器製造会社の塀という成り立ちからか、経年による煤のようなものが付着してできたものと思われる。この塀は比較的交通量の多い道路に面していることもあり、自動車の排気ガスに含まれる煤煙も付着しているのかもしれない。小汚い塀ではある。

折しも山水画の本場、中国において自動車や工場から吐き出されるスモッグは深刻な状況になっていると聞く。日本においては高度成長期の歪みによる環境破壊の反省から規制がきびしくなり、近年はだいぶましにはなったと思うが、繁栄のつけというものはどうであれ、ペイしなければならなくなるものだ。

ここで原発事故を引き合いに出すのは本意ではないが、あれをしっぺ返しというのは異論があろうが、科学が自然を支配するという考えははっきり間違いだと思う。必ず,神様がしっぺ返しを画策していらっしゃる。もう繁栄を望むことはないのではないか。ゆっくりと後退していっていいではないか、というのがぼくの持論であります。

この「山水図」(深山に黒い煤が降る)が訴えるのは、繁栄の代償は必ず支払われるということだ。

(2013年1月29日撮影)

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アート・ユビキタス【Art Ubiquitous】 「アートを創り出す」のではなくて、「アートを見つける」姿勢です。アートはそこらに「遍在」しています。面白いです。

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