2011年11月29日火曜日

『列島融解』第2回挿画



原発に絡む日本のエネルギー問題を政界、官界、企業等に身を置く登場人物達の言動によって論じていく、ノンフィクション風フィクション、濱嘉之『列島融解』第2回目(「小説現代」12月号)の挿絵2点。 


今回は中国の日本に対する「露骨な企業狩り」がメイン・テーマ。登場するのは福島で被災したある中小部品サプライメーカー工場オーナー。工場規模は小さいが、技術力に優れた日本の工場の象徴的な存在として描かれる。 

被災し、生産能力を断たれ途方に暮れているが、国の支援は遅れ気味。そこへ好条件の中国への工場誘致の話が舞い込む。工場オーナーはそのオファーを純粋な善意と受け取り、中国への進出を決める。 

が、しかしそれはすべて画策された甘い罠であった、という話。工場誘致実現と同時に裏ルートでまったく同様の「クローン工場」が中国各地にできるという、さもありなん、というリアルさが不気味だった。 


扉イラスト(上)は「不気味な大国」中国のシンボリックなイメージとしての龍が、「小国」日本を襲う、というコンセプト。 

中面用イラスト(下)は今回のメイン登場人物である福島の工場オーナーが「甘い罠」によって絡め取られていく構図をイメージ。彼を誘うのは黒塗りベンツのハイヤー、「六本木ヒルズ」(僕には無縁な場所だけどね)というステイタス、そしてアジア歓楽の都、上海(行ったことないけどね)。 

それにしても日本の高層ビルって美しくないなあ、と描きながら思った。

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