2010年10月23日土曜日

「青柳茂 笹子追分人形 写真展」



「どっこいこーら、どっこいこーら、どっこいどっこい、どっこいな!」

というのは、19日火曜日に行った友人の写真家、青柳茂さんの「笹子追分人形写真展会場で披露された「三番叟」のかけ声。だらだらしてしまってなかなか仕事モードに入れない状態の時(僕はしょっちゅうですが)、このかけ声を自分にむけて発している昨今であります。どっこいな!

「笹子追分け人形」についてはこちら↓参照。
http://www14.plala.or.jp/sasanoko/sasago/ningyo/oiwakeningyo.htm

青柳君は甲府在住の写真家、古くからの友達で僕より少し年上なのに「君づけ」で呼ぶことのできる間柄であります。展覧会場には、甲州笹子の里に発祥した「千年の流れ・三百年の伝統」を誇る「笹子追分人形」の「かしら(首)」の写真が並び、それは密やかで薄暗い倉の中に長い間安置されているような人形を見るようであります。

僕は基本的に自分が生まれる以前のことには余り興味がないという人間ですが、ときおり遭遇する「伝統芸能・工芸」というものに対してははなはだ無知ではありながら、ははーっと敬服するところがあります。

なんというか、過去から何百年も受け継がれた来た「ゆるぎない」形式に基づいた「たじろがない」格というものを感じるんですね。昨日今日生まれたようなエンターテインメントには真似できない味わい深さがあります。

街道筋で発達した庶民芸能と言えども、追分人形の造作は単純に素朴とだけは言い切れない洗練を感じたな。人形の顔塗りに使う胡粉は貝殻の粉、仕掛けに使うのはクジラの骨、手の部分には猫革を使うとのこと。もちろん本体は「木偶」っていうぐらいで木製。プラスティックな文化とは相容れないこだわりの造型であります。

そしてあえて照明を落とした薄暗闇の空間にほの白く浮かび上がる老若男女百面相の人形たちの「かしら(首)」の写真群。しばらく対峙していると数百年に時空を隔てて、人形たちの「どっこいこーら、どっこいこーら」というくぐもった声が聞こえてくるようであります。


PHOTO BY SHIGERU AOYAGI


PHOTO BY SHIGERU AOYAGI

「胡粉の白さを表現するのに苦労した」というのは写真を撮った青柳君の弁であります。今回の展覧会レポートはなぜか「あります体」になったのであります。

写真展は日本橋「ギャラリートモス」(http://www.jpin.co.jp/saoh/)で29日(金)まで。「笹子追分け人形」に関する写真満載素敵な小冊子をゲットできますよ。興味を持たれた方は「どっこいな!」と行ってみてください。

同ビル1F(ギャラリー砂翁)で同時開催中なのは、スエーデン人、シモーナさんの水彩ドローイングによる「ポートレイト展」。こちらはごくコンテンポラリーでヨーロピアンでスピリチャルな作品群、こちらも「どっこい」面白かったです。

video
アップ動画は会場で披露された「三番叟」の模様。同じ「さんば」でもブラジルの「サンバ」とはえらい違い。基本的に三人で一体の人形を操ります。どっこいな!

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