2010年3月11日木曜日

イヌイットの生活もFinaleか


基本的に明け方にベッドに潜り込み、昼頃起床という生活パターンだが、ここのところさらにずれ込み、昨夜、いや昨朝はオクさんが起き出す8時過ぎまで起きていた。同居すれ違い夫婦。

極北に居住するイヌイットは昇りっぱなしの太陽と沈みっぱなしの太陽をシーズン単位で体感するので、普通の人間が一日単位で体感する朝と夜という生活概念がないのだそうだ。だから、早朝もなければ深夜もない。お昼時もなければ黄昏時もない、ということですね。

それでもシーズン単位で寝起きすることはできないので、好きなときに寝て、好きなときに起きると。で、人間の体内時計周期は25時間くらいと言われるから、まあ、そんな感じで暮らしているとだんだんずれ込むわけですね。

カレンダー上の昨日、今日、明日、というのも意味を成さなくなる。目が覚める前に過ごした日、目が覚めた後に過ごした日、次に寝るであろう後にやってくる日、という感じか。それでその一日は、一日中昼間か、一日中夜なわけです。

人と約束するのは大変だ。

「じゃあ、次のミーティングは、私と君がこれから七回寝起きを繰り返した直後にやろう」
「でも、あなたと僕では体内時計の個人差がありますから、七回の寝起きのズレが生じ、どちらかがかなり待つことになるかもしれません」
「じゃあ、ズレが一致する頃にやろう」

となると、ミーティングは何年先になるかわからない。

現代のイヌイットの人々の暮らしがこうだとは思わないが、こんなことを書いているのは、僕のこのところの生活パターンがそんな感じなので。そのうちずれ込んで見事な「早寝早起き」になるかもしれないとか。

そんなよっぴいて何をやっているのかと言うと、Finaleという楽譜制作ソフトを使って譜面の「浄書」の仕事をしているのでした。さして音楽的素養もないのに受けた仕事だったが、音符等の記載はオリジナルの楽譜を参考にすればよく、それはそんなに難しくないけれど、譜面の割付、組段設定、小節数の増減、反復記号の設置、等、「見栄え」の問題で大変に使いづらいソフトであることが判明、ひと言で言えば「直感的」ではない。それでも格闘約一週間、おおよそこのソフトに関してはクリアした感じがある。

ウィキ「フィナーレ」解説:http://ja.wikipedia.org/wiki/Finale

このソフトが、グラフィック系のソフトを使って譜面を浄書するのとの決定的な違いは色々あるが、完成した譜面をMIDI音源で鳴らせるところが大きなポイント。音符、休符や反復記号の打ち間違えがあるとすぐに分かる。慣れてみるとなかなか面白い。

今さらだが、譜面というのはよく考えられてできているなあ、と感じた。音という実体のない波動のようなものを紙に書き写すという発案、発明は考えてみれば凄いことだなと。レコーディングという技術がない時代は音楽家にとっては必須な技能だったろう、譜面の読み書き。

僕なんか、ひとつの曲を覚えるのに基本的に「耳コピ」だから、歌詞とコードさえあれば良かったが、バンドなんてやるとある程度、曲構成なんかを譜割りしたり、バンド間コミュニケーションで多少の音楽的な知識は必要になる。そういう意味でだいぶ勉強になりました。

でも、譜面はあくまで道具、手段であって、譜面の読み書きが堪能であれば素晴らしい曲が書けるというわけでは、当然ない。ビートルズだって、ストーンズだって、ボブ・ディラン(たぶん)だって、スティーヴィー・ワンダーだって(これはちょっとあれだけど)、多くの凄腕のロック系、フォーク系のミュージシャンで譜面が読めない人はたくさんいる。ブルーズ系ミュージシャン・シンガーは言わずもがな。だからこそ(つまり、正規の音楽教育を受けてないからこそ)ユニークな音楽を創ることができたとも思える。

まあ、そんなことで、Finaleと格闘した日々もようやくフィナーレを迎えたということでした。

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