2009年12月25日金曜日

午後、歯医者へ。


先週医者から治療の必要があることを言われ、今回治療予定の小さな虫歯(下の前歯、自分では確認できないくらいの、痛くも何ともない)があったが、四、五日前に、上の奥歯(銀歯になっている部分に隙間ができていた)が軽く痛み出し、これを優先して治療してもらおうと思っていた。

現在通っている歯医者とは三年にわたるそこそこ長い付き合いだが、最初からいけ好かないヤツであった。まあ丁寧な治療をすることと、なによりあまり痛くない治療を心がけているように思うので、人間的、性格的な部分は目をつぶってやっていた。

「この上の奥歯なんですが、ちょっと痛み出して……、ここを治療してもらえますか」と言うと、「ああ、ここねえ……、ここは開けたくなかったんですよねえ」と溜息をつく。

この医者、以前虫歯が悪化してひーひー言いながら訪ねたとき、「こんなになるまでほっといて……」と言っては溜息をつき、僕の歯のかみ合わせが悪いと言っては溜息をつき、「歯間ブラシ、使ってますか」と問われ、「いや、あんまり」と答えると溜息。何かにつけてうんざりした口調で物を言う医者であった。

一度、治療した直後の歯が痛み出したので、「治療してもらった次の日に痛み出しまして」と、別にクレームを付けるつもりではなかったが、言ったところ、「これは治療の問題ではなく、たまたま同じ箇所が別の原因で痛み出したんです!」といきなり強い口調で言われたので、なんだこいつ、と思ったことがあった。

今回、銀歯切除が終わり、「ゆすいでください」と言われたので口中をゆすいだところ、大きな銀歯のかけらが口の中に残っていてあやうく飲み込みそうになった。

別にクレームを付けるつもりではまったくなく、「銀歯のかけらが残ってました」とその一片を医者に見せたら、「これは残っていたのではなく、取れたんです!」と強い口調で。

その言い方に僕もちょっとカチッときたが黙っていた。残っていたのか取れたのか、本人にはわからない。しかし、知らずに飲み込みそうになったことは事実だ。

麻酔をされてしばらく待機していた間、「こいつはクレームトラウマがあるやつなんだろうな」と思った。モンスターペアレント、モンスターカスタマーも増加しているこのごろ、モンスター患者も多くいるだろう。ちょっとでも治療に不満があると金返せ、とか。

それから、「歯医者」という職業について考えた。歯医者になりたい動機とはなんだろうと。国民が健康な歯を維持することで、健全な食生活を営み、それがひいては国家の繁栄に繋がる、という高邁な理念をもって歯医者をやっている方々もいらっしゃるだろうが、高収入を得られる技術職としての歯科医という発想がぶっちゃけのところではないだろうか。「歯医者は儲かる」ということだ。最近では歯医者も供給過多でそんなに楽ではないらしいが。

まあ、人の口中覗き込んで穴を開けたり虫歯に詰め物したりとか、僕は嫌だな、と思いつつ、そういうことが好きな人もいるだろう、いろんな人がいていろんな職業が成立しているから世の中うまくいくわけで、世の中の人がみんな僕のようなフリーランス系の職業に憧れたら世界はすぐに破綻するわけで。

でも、件のいけすかない歯医者、彼はたぶんこの仕事がそんなに好きではないんだろうな、と思った。そんなに好きではないが生活のためしかたなく仕事をしているという人はたくさんいるだろう。ものすごく嫌だけど、歯を食いしばって仕事に耐えているという人もこの厳しい世相の折、少なからずいるだろう。

自分がやるべき仕事について、選択の余地もあまりなく、まして適正とかその価値とか生きがいとか考える術もなく、ただただひたすらシンプルに額に汗し労働していた近代以前の仕事の在り方の方が、もしかしたら人間にとって幸せだったかもしれない。

そんなことを思いつつ、今回の治療は終わったが、銀歯の半分は取れたまま、土台の尖った部分が残されて、次回治療は来月初め、なんかすごく半端な歯の状態で越年することとなった。


つまらない歯の治療のことを長々と書きながら、気がつけば聖夜。

楽しさも
特になしかな
おらがメリークリスマス

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