2009年8月10日月曜日

夜型


かつて恋をした人の夢を見て目が覚め、ベッド脇の時計を見るとほぼ正午を指していた。ひとしきり少女のように切ない気持になりつつ、「ダンゴムシ姿勢」を20秒、心の中でカウントしながら、下腹部に力を込め、起き抜けのおならを一発。これが僕の(唯一の)健康法。

明け方、ベッドで本を読んでいたら、ものすごい雨が降り出し、慌てて部屋の雨戸を閉め切り就寝。雨が降ったおかげか気温もクールダウンし、真夏の締め切った暗い部屋で、まあよく眠れたこと。

昨夏は早寝早起き習慣が身に付き、これはいわゆるひとつの初老兆候か、と思っていたのだが、ほどなく基本的夜型生活に戻り、冬が過ぎ春が過ぎた。

夏になれば体内リズムが朝方になるのだろう(暑くてとても昼頃までは寝ていられない、という理由もあろうが)、と思っていたのだが、ますます夜型傾向が強まり、朝刊を隅々まで読み終え、寝る始末。

暑くて目が覚め、エアコンをつけ二度寝にいたるという不埒なこともときおりやるが、なんだか罪悪感あって(夜型生活に罪悪感があるのではなく、地球環境にとってエアコンをがんがん効かした部屋で昼頃まで眠りを貪るのはいかがなものか、という点において)、明け方から4,5時間後の10時頃にはぐずぐずと起きることもある。

そのまま、頑張って起きていて12時前後に眠りに就くようにすれば早寝早起きの習慣を得ることができようが、そういうときは午後無茶苦茶に眠くなり、小一時間眠ってしまうので、早い時間には眠れず、結局明け方まで起きてしまい、夜型生活習慣は改善されない。(「昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういうわけだ」by井上陽水)

そういうわけで、「早起きは三文の徳(または「得」)」と古来から言われ、健康志向の時代において、早寝早起きはまずます奨励され、また欝病治療に早寝早起きが有効(適度な紫外線照射が心の健康をもたらす)であるとも言われる昨今、僕は落ちこぼれている。

が、それは人間社会において望まれる生活規範であって、動物社会においてはむしろ夜型、夜行性をもって基本的生活習慣とする動物の方が多いのではないか。固定的ではないという説もあるが、多くの草食動物しかり、猫科肉食動物しかり、昆虫、は虫類しかり。昼間の動物園で元気なのはサルくらいじゃなかろうか。

それらがなぜ夜に活動するかというと、つまりそのほうが生きる上での利害がかなっているからということだろう。捕食する方もされる方も、食うか食われるかの世界に身を投じていると「三文の得」もへったくれもないわけで。

人間社会において、早寝早起きが奨励される由縁は、つまりその方がより生産的であるということに尽きるのではないか。闇の中で稲を植えたり、狩りをすることはとても非生産的だ。

そしてそれは人間(だけ)が豊かな生活を甘受するという意味で奏功したわけだが、その有り余る生産性と効率重視の社会の行き着くところが、善良でありながら社会の規範にそぐわない人間をどんどん排除していく社会を形成していくように思う。

規範を守り、大多数周囲と同様な生活志向を持ち、集団と協調できることは潤滑な社会生活を送る上で奨励されようが、それは管理する側にとって好都合であるという一面もあろう。だから、組織は異端を排除する。

人間社会は蟻の社会とは違う。夜型であろうが、また喫煙者であろうが(加えて僕は士農工商末端のフリーター・イラストレーターだ)、他者に迷惑がおよばない限り、それは当人のライフスタイルであって、とやかく言われる筋合いはない。

ちょっと前、朝9時にはすべての付近住民が起きているものと仮定し、選挙カーから元気いっぱいの声で「ご挨拶」に回った地元選出、首相側近の前衆議院議員A、君に反省を促すため、ぐだぐだと夜型人間の屁理屈を書いたのであった。

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