2009年7月26日日曜日

中川五郎バースデイ・ライブ@ ラ・カーニャ


昨日は、中川五郎バースデイ・ライブat ラ・カーニャ『華の中の一』と題したライブを見に下北沢ラ・カーニャに。

『華の中の一』というのは、ライブのはじめに五郎さんが説明していたけれど、「華」という字は六つの「十」とひとつの「一」でできていると。昨日は、彼の60歳の誕生日なので、六つの「十」となるのだが、そこでまた「一」から始めたい、新たな一歩を踏み出したいという気持ちで臨んだライブ、だということだった。

開演迫る頃には満席。ベテランから新進まで世代の違うサポートメンバーに囲まれ、たっぷり2ステージを彼はしなやかにこなした。そして終始会場は穏やかな熱気に包まれていた。「穏やかな熱気」というのはやや矛盾した言い方だけど、中川五郎その人が「穏やかな熱気を孕む人」なので、そういう雰囲気だったのだ。

ピースフル、ジェントルにしてホットでエキサイティングという二律背反はステージングにも現れていて、柔らかで優しく内省的なトーンの歌語りがあるかと思えば、甲高い声での「ワン・トゥー・スリー・フォー!」から始まるテンション全開パフォーマンスが続く。そのどちらもが現在の(還暦を迎えた)中川五郎であって、びた一文「はったり」のないステージングに、僕はいたく感銘した。

今月15日にあった有馬忍さんのCD発売記念コンサート(@横浜サムズアップ)でゲストとして登場した中川五郎を見て、マジでぐっときて、「すごいじゃないか、熱いじゃないか、いいな!いいよ!中川五郎!」と一緒にステージを見たウチのオクさん、我がバンドメンバーであるよっちゃことフジタ・ヨシコと席で盛り上がったのだった。

そのとき、よっちゃが僕を五郎さんに紹介してくれ(彼女は以前、五郎さんと対バンステージがあったらしく顔見知りだった)、少しだったがお話しをさせていただいた。なんと、彼は30年以上前に出した僕のアルバム(見事に売れなかった)のことを覚えていて、リップサービスだとしても「好きでした。けっこう聴いてましたよ」と人なつっこい笑みをたたえながら言ってくれたのでした。

そんな個人的な彼からの嬉しい言葉もあって、昨日のライブは「行かいでか!」と小鼻膨らませながら参戦したのだった。期待が大きいと往々にして期待が裏切られる場合があるが、昨日のライブは裏切られるどころか、彼の歌世界に思い切り抱きしめられたようで(優しく、しかし熱く)、今日は起きてからずっと中川五郎のことを考えていて、それはちょっと恋をした感じに似ているのだった。ああ、恥ずかしい。

彼の歌はとびきりインパクトがあるわけでもなく、演奏テクニックに圧倒されるわけでもないのだけど、この強力な歌の包容力はいったいなんだろう、と考えていたのでした。外連見というのがまったくない、というのがポイントだなあ、と思った。そこが「優しげで熱い」パワーに繋がるのだと。

演奏がはねて、帰り際ひと言二言声をかけ、握手してもらい、ラ・カーニャを出た。いろいろお話しをさせていただきたいと思っていたのだが、そこは恋をしてしまった手前、僕は急にシャイになってろくに話もできなかった。

多くの彼のファンが、彼のようになりたい、彼のように年を重ねたい、と願っているのではないか。僕もそのひとりになったようだ。後輩の僕が生意気な言い方をするようだが、「可愛い人だなあ」と自然に微笑んでしまうようなお人柄、パフォーマンスでありました。

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