2009年6月5日金曜日

『デイドリーム・ビリーバー』



今日は朝から雨がしとしと降っておる。さすがに6月だ。「さすがに6月」っていうのも変だけど。とりあえず外出する予定がないときは雨の日は好きだ。

ところで、モンキーズによる60年代のメガヒット・チューン『デイドリーム・ビリーバー』は、キングストン・トリオのメンバーであったジョン・スチュワートというおじさんが作った曲であった。

彼は昨年、68才で亡くなってしまったが(脳卒中とのこと)、元キングストン・トリオの人物というより、あの『デイドリーム・ビリーバー』の作者として今後も記憶されることだろう。

ところで、『デイドリーム・ビリーバー』という曲はウクレレで演奏するのに、まことにふさわしい楽曲のひとつである。曲のリズム、雰囲気も、軽やか+ちょっぴりメランコリックという「ウクレレ的」な要素を含んでいると、僕は思うのだ。

ところで、ウクレレという楽器は4弦からソドミラというチューニングになっており、通常(ローGというチューニングもあるけど)、4弦の「ソ」は高いキーの「ソ」であります。だから、ウクレレでコードを弾いたときにあの「コロコロ感」が出るのね。

それで、『デイドリーム・ビリーバー』なんですけど、あの(モンキーズ・バージョンの)印象的なイントロはウクレレだとGコードのフォームで1弦、4弦と交互に弾けば、まことにウクレレらしいキュートな分散和音となって響くのです。

そういうわけで、ウクレレ伴奏で歌われる楽曲の中で『デイドリーム・ビリーバー』はとてもポピュラーで、ギター伴奏でやるより「感じ」だと、僕は思うのですね。

そういうわけで、僕も『デイドリーム・ビリーバー』をウクレレ持ち歌のひとつにしようとずっと思ってきた。(って、そんなたいそれたもんじゃないけどさ)

英語で歌ってしまえば、まあ、カバーっていうことで、それはそれでいいんだけど、ここのところ、僕は「日本語で歌う」ということにちょっとこだわっていて、僕なりの訳詞バージョンに挑戦しようとしたのでした。ここんとこ暇だし。

しかし、この曲の歌詞の内容は60年代のメガ・ヒットチューンにしては珍しく、実はけっこう難解、深淵なもので、直訳すると以下の感じか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Oh I could hide 'neath the wings of the bluebird as she sings
The six o'clock alarm would never ring
ああ、歌う青い鳥の羽の下に隠れられたら、6時の目覚まし時計はけっして鳴らないだろう
But it rings and I rise, wipe the sleep out of my eyes

My shaving razor's cold and it stings
しかし、それは鳴り、僕は眠い目をこすりながら起きるのだ
髭剃りをすれば、カミソリがちくちくと冷たく肌を刺す

Cheer up, sleepy Jean, oh what can it mean
元気を出して、眠そうなジーン、ああ、それは何を意味してるのか?
To a daydream believer and a homecoming queen?
白日夢を信じる者とホーム・カミング・クイーンには

You once thought of me as a white knight on a steed
君はかつて僕のことを白馬の騎士のように思っていた
Now you know how happy I can be
今、君は僕がどれだけ幸せでいられるか知っている

Oh, and our good time starts and ends
Without a dollar one to spend

ああ、そしてドルを使わなくても、僕たちの幸せな時間が始まって終わる
But how much baby do we really need?
でもベイビー、僕たちにいくらくらいお金は必要なのかな

Cheer up, sleepy Jean, oh what can it mean
元気を出して、眠そうなジーン、ああ、それは何を意味してるのか?
To a daydream believer and a homecoming queen?
白日夢を信じる者とホーム・カミング・クイーンには
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うーむ、難解だ。難解そうでなんとなく分かるディランの歌詞より、曲調がポップな分だけよけい難解に思うのです。

でも、歌詞冒頭に出てくる「the bluebird」とは、あのメーテルリンクの「青い鳥」(チルチルとミチルが探す鳥ですね)を示唆していることに気がつくと、なんとなくジョン・スチュワートさんがこの曲で言いたかったことが見えてくるようにも思う。

つまり、若き日に夢想していた「夢」の実態に気がつく年齢に達した「僕」と「君」の少しほろ苦い(でも幸せな)「今」についての歌なのだろうと。

しかし、この曲のサビ部分、
Cheer up, sleepy Jean, oh what can it mean
元気を出して、眠そうなジーン、ああ、それは何を意味してるのか?
To a daydream believer and a homecoming queen?
白日夢を信じる者とホーム・カミング・クイーンには

これがよくわからない。「sleepy Jean」が「君」なのか、 「a daydream believer」が「僕」なのか、曖昧だ。そもそも「oh what can it mean」のitがよくわからない。ずっと「a daydream believer」は「僕」のことだと思ってきたが、微妙に違うようにも思う。

サビ部分で重要な単語「homecoming queen」(ハイスクール同窓会におけるミスコン女王)にしても、アメリカの文化的な背景を知っていないと、日本人にはなんのことやらわけがわからない。

この辺り、英語ネイティブの人に聞いてみたいところだが、いずれにしてもポップで親しみやすい曲調のわりには難解で、ある意味哲学的な感じもする歌詞なのでありました。

そんなわけで、この曲について、僕なりの日本語歌詞を作ろうと思ったのだけど、挫折したのでした。

ところで、この曲の日本語カバーとして有名な忌野清志郎のバージョンがある。最初、それを聞いたときは、ジョン・スチュワートの歌詞の内容とかなり違うことから、僕としてはあまり買っていなかった。

ところが、自分で訳詞を試みてみたら、結局お手上げになって、清志郎バージョンの「日本語詞」がこの曲に見事にぴったりとはまることがよくわかったのだった。

清志郎バージョンは、別れてしまった「彼女」への今も残る哀惜の思いを歌うちょっとメランコリックな仕立てになっているが、この曲の持つ雰囲気にとても自然になじんでいるなあ、と思ったのでした。特に「そんで彼女はクイーン」というところ、さすがだなあ、と。

というわけで、忌野清志郎バージョンの『デイドリーム・ビリーバー』をウクレレでやったのでした。(最近、山下はやたら楽曲をアップするが、暇なのかと思った方、暇です、誰か仕事ください)



「本家」ジョン・スチュワートの"Daydream Believer"、亡くなる前年の07年のもの。「この曲はキングストン・トリオを抜ける直前に作ったんだ。それが脱退した理由のひとつ(笑)」、なんて彼は言ってますが、泣けるねえ、本家の歌も。

人気ブログランキングへ

0 件のコメント: