2008年11月19日水曜日

最近の小商い挿絵仕事・08年11月ーその1


実業之日本社から出ている「月刊ジェイ・ノベル」という小説雑誌で、誉田哲也さんの新連載『主よ、永遠の休息を』の挿絵を描くことになり、第1回目が掲載された本が届いた。

誉田さんは「警察小説の書き手で、若手でひときわ注目されている」という作家。光文社から出ている『ストロベリーナイト』はけっこう売れてますね。今の時代にヒットを出すのは大したことだ。

「鶴田吉郎は共有通信の事件記者。池袋署の二階にある記者クラブに詰めて、特ダネを求める毎日を送っている……」というのが連載1回目のキャッチ文。深夜のコンビニで強盗事件が起こる発端、主人公の鶴田の一人称で語られる部分と、コンビニの店員である桐江ーーPTSD(心的外傷後ストレス障害)を持っているような伏線ありーーの一人称で語られる部分が交互に書かれ、推理エンターテイメント系小説では新しい感じ。

僕はどちらかというと「おじさま志向」作家先生の挿絵をやることが多かったが、誉田さんは若手らしく、重いテーマを描きながら文体は軽やかで、以前、ロックバンドをやってらしたそうで、そんなリズムも文章に感じたりしました。

第1回目の文中「人通りの少ない、暗い一本道。その、突き当たり。明かりを消した部屋で見るテレビのように、青白い光で辺りを照らす、夜のアミーゴ。コンビニ——」という描写があり、イラストはそのイメージで描いた。

これを描くにあたり、デジカメ持って、チャリを駆り、深夜近所を物語に合いそうな「暗い一本道」を求めて徘徊した。写真を撮っていると、窓がガラッと開く音がしてコホンと空咳の声、背後に寝静まったマンション。怪しいものじゃないんです、と思いつつ、やっぱり誰が見ても怪しいよなあ、と思った。深夜のコンビニも撮影に及んだが、気がつかれたら警察に通報されるかも、と思い、気が気でなかった。深夜にデジカメ持って街を徘徊するのは、変質者かイラストレーターです。


画像は怪しまれつつ撮った写真を資料に描き上げたイラスト。

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