2008年6月9日月曜日

金を持たずに済ますことにも、


金を儲けるのと同じくらいの苦労と価値がある。

フランスの作家、ジュール・ルナールの言葉。うーむ、確かに。どちらの苦労もしたくないが、金を持たずに済ますことの方が得意だ。


東京創元社の「ミステリーズ!」でメカ系イラストを描いた。『幽霊交差点』という題の中編で、台湾の作家によるもの。車とバイクが衝突するかに見えて、バイクは車をするりと通り抜けてしまった、という理不尽な「客観的事実」(複数の目撃者がいた)のほころびを冷徹理論的な推理によって解き明かしていくというもの。

当初から「車とバイクを描いて欲しい」という注文で、車はホンダCRーV、バイクは文中から特定できないが、中型ないしは小型、バイクのライダーのヘルメットは「ジェット型」、交差点を直進するバイクの左側から車が突っ込む、交差点は住宅地にあり、2車線、等、決まり事があった。適当に描いて良い場合もあるけれど、特に推理小説の場合、何気ない細かな描写が謎を解く鍵となるわけで。

車がバイクの左側から突っ込むわけだから、車からバイクが飛び出してくる図はこれでいいんだよな、間違ってないよな、とか考えながら構図を作った。僕は方向音痴なので、こういうことはじっくり考えないとわからなくなるのだ。

メカというか、車やバイクを描くこと自体は人間を描くよりたやすいと思うけれど、バイクが車をするりと抜け出す感じを出すのが思いの外、難しかった。完成してもイマイチ感がずっとあって、手を入れるのだがうまくいかない。

最近で一番苦労しました。まあ、これでいいかなあ、と妥協して送付、本が上がってきて一瞥、やはりイマイチ感あり。何が良くないかって、ホンダCRーVって車、ダサいなあ、と車のデザインのせいにしたのでした。

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