2008年5月26日月曜日

問題は、“貧乏”という生活レベルの問題ではなく、


“情けない”という人間存在のあり方である。

橋本治のシリーズ・エッセイ集『貧乏は正しい!』から。90年代中期バブル崩壊が日本を覆う現象となっていた頃の出版物、「就職氷河期」の直中にいた鬱屈する若者に対してエールを送るような内容であった。

「貧乏は正しい!」というのは、清貧であれ! という意味合いではなく、「バブルが間違っていた」ということの言い換えであろうと思う。しかし、貧乏人には少しばかり勇気を与える言葉だ、「貧乏は正しい!」。

橋本治氏にはお会いしたことがある。イラスト仕事のオッファーがあり、バブル末期の90年代初頭、当時お世話になっていた編集者氏からの紹介で代々木だったか、仕事場にお邪魔した。

当時、橋本さんは金髪レザージャケットのいでたちで、妙なオーラがあり、その人柄に僕はけっこう魅了された。

結局、仕事は事情あって流れてしまい、プッシュすれば形になったかも知れないが、僕は肝心なところで押しの弱い性格なので、今思えば惜しいことをした。

その橋本治さんを紹介してくれた編集者K氏は、僕の古い友人であったO君の紹介で、そのO君と知り合ったきっかけはギタリスト洪栄龍で、洪さんが乱魔堂時代、演奏をしていた渋谷ロック喫茶「BYG」でレコード係をしていたのが、音楽ライター編集者の浜野サトルさんで、浜野さんからの依頼でジャズ・ロック評論家、相倉久人さんの本の表紙を書かせて頂き、その相倉さんが監督を務める草野球チームのメンバーに古い友人の国立ジャズボーカルのお店「sings」のオーナーのTさんがいて、のちにTさんとO君も知り合いであったことがわかり、そのTさん、O君、洪さん、編集者K氏とも知り合いであったという翻訳家の中江昌彦氏に浜野さんの紹介でお会いすることができたのが先週土曜日、ところは白山にあるジャズ喫茶「映画館」であった。

マイミクで「神奈川横浜以西派」同志Nさん、平凡社「若手(に見える)」編集者Fさん、浜野さん、僕、と集い、極上のオーディオ装置から流れるジャズの調べをぶったぎりながらお喋りな女子高生の集まりかと見まごうおっさん集団は、中江さんを囲んで業界四方山話に花が咲いたのだった。

中江さんの「クラプトン自伝」、憂歌団、天童よしみ関連の裏話等、テープで起こせば、相当に面白いと思うが、まずは公表されることはない。「悪口は酒が進む」と書けば、内容は推察されるだろうか。

しかし、僕の多くもない「業界人脈」が重なるこの狭い世界、悪いことはできないなあ、と心したのでした。(悪口言われるから。笑)


画像は、白山「映画館」の2代目看板猫「虎太郎」。良質なジャズを聴いて育ち、さぞやいい耳を持っていることだろう。酔いに任せて抱きしめたらすごく嫌な対応をされた。猫は酔っぱらいが嫌い。

0 件のコメント: