2008年4月13日日曜日

授業初日


僕が長年関わってきた学校も年々生徒数が減少し、今年度は新入生を得ることが出来ず、全生徒数わずか6名の名実ともに小さな「家族的」な学校となった。経 営者院長がお爺さんであれば、僕はお父さんの世代、あと、お姉さん、お兄さんの講師職員がいる。教室ではなく、家庭の居間でコタツに入りながら授業をやり たいくらいだ。

専任を辞めた2003年以来、週に2回授業を持ってきたが、今年度は1回、しかし、授業の他に教務的な仕事もしなければならなくなった。ここで、 内情を詳しく述べるわけにはいかないが、なかなかにハードな状況ではあります。が、ショー・マスト・ゴー・オン、学校というもの、簡単に店じまいするわけ にもいかないのであります。

とりあえず、新学期を無事迎えることができ、金曜日に新学期最初の授業を行った。今年度は社会科系2教科(現代社会、日本史)、理科系2教科(生 物、地学)、英語、美術等を担当する。一応、定められた教育課程に基づいて教科を教えていくわけだが、LD児等、軽度発達障害を持つ生徒については、彼ら にふさわしい内容の授業を行う裁量権は基本的に現場にあり、文科省もこれを認める現状となっている。

有り体に言って、小学生で履修すべき漢字も読めない書けない、四則計算も満足にできない高校生を相手に授業をするわけで、まず指定された高校教科 書は使えない。かといって、小学生用の教科書、ドリルを使用したのでは生徒達の自尊心をはなはだ傷つけることになる。それで、ずっとオリジナルのプリント 教材を作ってきた。

元々、そういうことが好きだったこともあるのか、長年せっせとプリント類を作ってきて、各教科ごっそりと持っている。毎年同じものを使えば楽だろ うけど、小さな学校故、全学年同じクラスで同じ授業を行うため、一度使用した教材は3年間は使えない。教科内容の学習達成度は低くても、「先生、これ前 やったことあるよ」と手抜きをやろうものならすぐ指摘されたりする。

3年前に作ったものを再度使うこともあるが、生徒の顔ぶれ、資質、能力も違うため、と言うより、僕自身が飽きやすく、新しいことをやりたい性分なので、あらたに作り直すことの方が多い。それで、結局、毎年、この時期は教科のプリント作成をしこしことやっている。

連休過ぎくらいには概ね年間を通して、それぞれの教科で何を主眼にして学習させていくかの方向性が決まる感じだ。今年度、日本史では漫画を使った 昭和史、現代社会はNHK「子どもニュース」の録画ビデオを見せての授業(これは10年以上続けている)、地学は宇宙、生物は人体を中心にやろうと。英語 はドラえもんの子ども向け英語本を下敷きにプリントを作った。

教科書を中心に授業を行う普通の教師に比べ、面倒な点はあると思うが、自分の作った教材で授業を行う方がはるかに楽しいと思う。金曜日の突端授業 は、地学「宇宙はいつどうやってできたの?」。理科系科目は「なぜなぜ問答」形式で、「ケペル先生、こんにちは」みたいな。(古いですねえ)

150億年前から200億年前という途方もない昔、ビッグバンと呼ばれる、それはそれは途方もない大爆発があり、どれだけ途方もないかと言葉では 言えないくらいものすごい爆発があって、宇宙はとにかく生まれ、えっと、その前に何があったかって俺に聞くなよ、そんなことは神様しかしらないんだから、 で、その宇宙の片隅の銀河系と呼ばれる星の集まりの中には約2000億個という途方もない数の星があり、そのまた片隅のちっぽけな、ちっぽけな星の集まり が太陽系と呼ばれ、その中のちっぽけなちっぽけなちっぽけな星が地球なんだ。その地球に生きている人間なんてどれだけちっぽけか、だからな、あまり悩む な、悩みそうになったら宇宙の途方もない大きさのことを考えなさいね、と生徒相手にケペルならぬ「毛減る」先生は熱弁をふるったのでした。


画像はウェブから拝借。猫先生が黒板に書いたString Theoryというのは「弦理論」ですね。近代物理学の量子やら素粒子やら何やらのまったくわかりませんが、で、手に持っているのが猫の大好き毛糸玉で、ちょっと笑えました。

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